TOP > 第22回 CSデザイン賞 一般部門 受賞作品
2021年12月から2022年3月までに募集を行った、「第22回CSデザイン賞」一般部門の各賞です。
募集作品:カッティングシートおよびそれに準ずる装飾用シートを使用したもので、2020年4月1日から2022年3月31日までに実際に制作された作品
応募点数:124点
受賞作品:13点(グランプリ1点/準グランプリ3点/優秀賞5点/中川ケミカル賞4点)
審査講評 ▶︎ https://cs-designaward.jp/general/review.html
ドキュメント動画 ▶︎ https://youtu.be/yUglOl1OsaU
ディレクター/藤江 竜太郎 [広島市立大学芸術学部]
デザイナー/富田 菜月 [広島市立大学芸術学部]
デザイナー/亀山 慶一郎 [広島市立大学芸術学部]
クライアント/三谷 光司
[横川エリアマネジメント連絡協議会]
施工/相水 敏光 [巣守金属工業(株)]
フォトグラファー/達富 航平
賑やかな街の雰囲気と、落ち着いた住宅街、モノづくりの街、酔いどれの街・・・様々な姿を見せる横川を、眩い雲の姿に見立てる。四季の変化を雲の形に与え、南北を一年間の時間軸に表した。横川駅の南北をつなぐ自由通路を抜けると街の雰囲気が一変する。まるで煙に巻かれたようだ。
山陽本線広島駅から西へ2駅目の横川駅を中心とするエリアはかつて広島を代表するモノづくりの町であったこともあり、アートやデザインに対して大変積極的な地域です。横川駅の南北を結ぶ約60mの地下通路は、かつて駅工事の際に設けられた作業用通路を地元住民に開放したために、殺風景で暗く夜の通行は避けたいという住民の声から、どうにか通路を明るくできる方法はないかと模索した。照明工事が出来ない条件から日本伝統建築にヒントを得て箔をしつらえる手法を提案。箔の反射が蛍光灯の青白い光を暖かな色に変えることを目指した。生活道路になっていることから封鎖の許可がとれないことから、短時間で箔を施工する方法としてMATERIO BLS-001 洋金箔シートを用いて施工とした。
施工直後に下校中の小学生が「俺たちの通学路が進化しとる!」この一言に雲は消え、心が晴れ晴れした瞬間はいまも忘れない。
内装設計・アートディレクター/菊嶋 かおり、永澤 ⼀輝
[⼀級建築⼠事務所knof]
アートワーク・アートディレクター/⼩澤 真⼸、瀬⼾⼭ 雅彦
クライアント/⼭路 裕希、山路 祐子
[合同会社MASTERPLAN]
内装施⼯・アート建具施⼯/⻄澤 佑⼆、鈴木 亮佑
[ファーストハウジング(株)]
カッティングシート施⼯/尼野 克明、内藤 貴文、奈良 雅
[(株)In Detail]
照明計画/吉田 剛士、福村 健太 [(株)モデュレックス]
フォトグラファー/児⽟ 晴希 [(株)児⽟晴希写真事務所]
カフェ「PENITENT」のための可変性を持つアートスクリーン。
FRP波板を少しずつ重なるように3層に並べ、透過/不透過のカッティングシートを貼り込んだ。それぞれのパネルはレールで吊られており、⽇によって気分で、もしくは換気の必要性に応じて左右に可動できる。
波板形状のため正⾯から⾒た時と⾓度を変えた時で図像の印象は全く違ってくる。波サイズは⼤⼩2種類とし、図像の変化に複雑性を持たせた。また、ベースの透明なFRP波板は完全な透明ではなく、光を通すと虹⾊に滲む素材特有の魅⼒がある。そこにカッティングシートの鮮やかな⾊彩が加わり、⽇光や照明に透かされて店の中をさまざまな⾊に染める。南の窓際のため、⽇光が当たる時間、陽が落ちた時間、曇りの⽇、と天候や時間によっても⼤きく空間が変容する。数年をかけてFRPが⻩変し馴染んでいく変化も、また楽しみである。
本計画ではコロナ禍での計画において、そもそもカフェとはどういう場所であるべきかクライアントとともに⽴ち戻って考えた。たどりついたのは「空間や時間や過程を他⼈と共有しつつ、思い思いの個を過ごせる場所」。店主の作業台からつながる3.8m×3.4mの⼤きなテーブル(コロナ対策としてもアクリル板を⽴てるのではなく席間を確保できる)と、ステンドグラスのような光のスクリーンによってその場所を実現する⼿⽴てとした。
ディレクター/平野 篤史 [アフォーダンス(株)]
デザイナー/平野 篤史 [アフォーダンス(株)]
デザイナー/萱沼 大喜 [アフォーダンス(株)]
クライアント/八代市
建築設計/平田晃久建築設計事務所
フォトグラファー/小野田 陽一 [SHEEHOOT]
この施設は、妙見祭というこの八代において極めて重要なお祭りに使う、鉾や道具などを収蔵する役割も持っており、その収蔵扉にアイコンとして、収蔵されている鉾の種類の絵をドット絵にして、収蔵されている種類の選別と、建築の中でドットというデザイン要素が伝承する、という大きなキーワードにしているので、金のシートを円に切り出し、それが空間内に無数に貼られる事で、光を反射し、お祭りのきらびやかでにぎにぎしい印象と、陰影礼賛の趣も演出出来る様にしている。現地で自分の手で約1週間かけて張り込み、現場で足りない部分などを補強をしたり、絵柄的に空間に負けていないか?など、建築家の平田さんにもリモートで確認して頂きながら作業を行ってきた。現地の屋外で実際に貼っている様子を、地元住民の方々が興味深く眺めていてくれ、一種、パフォーマンスとしての要素も含む事が出来て、現場作業ならではの手応えも感じる事が出来た。
ディレクター/田中 悠介 [designと]
デザイナー/田中 悠介 [designと]
クライアント/金田 康孝 [一般社団法人グッドラック]
フォトグラファー/衣笠 名津美
日常の暮らしにいい“ふつう”を届ける
素材を活かした手作りで温かみのあるお惣菜。
高級店でも、スーパーのような安売り店でもなく、
日常の暮らしをほんの少しだけアップデートする
“ふつう”だけど“いい”ものを届ける。
そんなスタンスを表現するため、建物の内装外装ともに、
もとの状態(素材)をそのまま活かすように、
空間やサインを構成しています。
主催/NADiff a/p/a/r/t [カルチュア・コンビニエンス・クラブ(株)]
アーティスト/大山 エンリコイサム
フォトグラファー/中川 周
1階に書店、地下にギャラリーを併設するショップ「NADiff a/p/a/r/t」で開催した大山エンリコイサムの個展「Paint Blister」に際して、吹き抜け部分の窓ガラスにカッティングシートの作品を設置。
大山の独自のモティーフである「クイックターン・ストラクチャー」のアートワークを建物の形状にあわせてレイアウトしている。窓ガラスの枠を超えてアートワークが施されている部分は、トタン板をモティーフにデザインされた波打つガラス壁に沿うようにカッティングシートが貼られており、建物との一体感が際立つ。
本展は「Paint Blister」(ペイントブリスター)と呼ばれる、塗膜と支持体のあいだに生じる気泡やふくれに着目した展覧会となっており、カッティングシートの施行では通常避けるべきこの気泡(ブリスター)をあえて発生させるために、凹凸のあるシート(C-09(RYUKYU))の上に白いシート(711)を重ねることで、店外からはシート表面の微かなふくれが、店内からはシート裏面の気泡を見ることができる作品となっている。
インテリアデザイン/前田 利幸、藤岡 知夏 [前田建設工業(株)一級建築士事務所]
サインデザイン/平手 健一 [(有)寺田平手設計]
照明デザイン/早川 亜紀 [灯デザイン]
カッティングシートによる着せ替えピクトグラムを考案した。画一的になりがちなトイレのピクトグラムを通路の照明器具を利用した影絵とカッティングシートの組み合わせによって、多様なピクトグラムを表現した。フロアごとにカッティングシート部分の表現を着せ替えることで、ここで働く多様な人々をイメージしながら、見た目にも楽しい雰囲気をグラフィックにて演出した。
ディレクター/髙安 重一 [鹿児島工業高等専門学校]
デザイナー/林 佳音 [鹿児島工業高等専門学校]
施工/東口 道也 [有限会社インテリア東口]
フォトグラファー/平林 克己
学校内の廊下や階段は移動以外に用途もなく、棟ごとの特徴や階の違いにも関係なく無機質に存在していた。しかし階段室に南から入る光を発見した。
この太陽の動きを可視可し、地上からの高さが上がるごとに光の質を変えるべく、光に色を与えていった。クリーム色の壁面は発色の効果のためにホワイトとした。これにより利用者は敏感に太陽の情報を知ることができるようになり、光の色からは自らが何階にいるという位置情報を得ながら、強くシークエンスを感じる移動体験をすることとなる。
さらに踊場には若干の寸法的余裕があったため、学生の作品やメッセージを表出するスペースを加えた。仕上げの壁には光が当たらず逆光になることから、亜鉛メッキ鋼板に上階ほど明るい木目シート貼りとして、既存のアルミサッシとの関連でシルバーの磁石付きのフレームを制作した。
デザイナー/平綿 久晃 [(株)モーメント]
デザイナー/渡部 智宏 [(株)モーメント]
1977年より藤沢市善行の地元の方々に愛されてきた「揚げ物屋ビーバー」。多種多様の食品を注文を受けてから揚げ、熱々をその場でスナック感覚で食べることができる、地元民にとっては子供の頃から慣れ親しんだ有名店です。店舗は老朽化を理由に閉店することになりました。ビーバーの閉店は新聞でも話題となり、それを読んだ地元出身の男性が新オーナーに名乗りを上げ、事業を継続しリニューアルオープンしました。
ビーバーのコンセプトは「何でも揚げるぜ!」。その個性を最大限に引き出すため、今までの「揚げ物屋」から「揚げ物ラボ」へ劇的に変身させました。店舗は「油」をイメージする色=黄色をメインカラーにし、外装のガラスは黄色いシートで覆われています。外から見ると、まるでお店全体が油で満たされているような佇まいです。床と壁は黄色の左官塗料で塗られ、油のプールに浸かっているかのようです。旧店舗では手書きによるメニューが狭い店頭に張りめぐらされていましたが、バット(揚げ物用のステンレストレー)にメニューをカッティングシートで施工し、情報とシズルを一体化させています。また、旧店舗のレガシーとして完全再現された店名サインもコルトンサインとして復活させました。
旧店舗では大量のポップが店に張り付いていましたが、新店舗は適材適所に配されたシートが店内外によって賑わいを生み出しています。
ディレクター/西澤 明洋
[(株)エイトブランディングデザイン]
デザイナー/橘 あずさ
[(株)エイトブランディングデザイン]
クライアント/(株)うぶや
施工/(株)小林工芸社
フォトグラファー/谷本 裕志
河口湖にある温泉旅館、うぶやで「温泉卓球」ができる場所を開発。
ブランドカラーである「うぶやあさぎ」色を基調に、お風呂タイルや桶、温泉タオルなど、温泉を想起させるサイン・グラフィックデザインを展開することで、
うぶやならではの温泉卓球の空間を演出しています。
老若男女のお客様が楽しめるように、通常サイズから
子供用のミニサイズ、ホッケー型、壁打ち型など、多種多様な卓球台を制作しました。
ディレクター/色部 義昭 [(株)日本デザインセンター]
デザイナー/山口 萌子 [(株)日本デザインセンター]
デザイナー/安田 泰弘 [(株)日本デザインセンター]
プロジェクトマネージャー/ソニー PCL(株)
クライアント/ソニー PCL(株)
施工/塩生 一博 [(株)脇プロセス]
空間設計/中原 崇志、阿部 真理子
フォトグラファー/岡庭 璃子 [(株)日本デザインセンター]
リニューアルオープンに向け一時閉園したGinza Sony Parkでの最後の展覧会「Sony Park 展」のメイングラフィック、サイン、展示グラフィックのデザイン。
ソニーグループの主軸事業をテーマにした6つの展示を1つの展覧会としてまとめつつ、各展示を黒い数字とカラフルな蛍光色のCSの組みあわせによって表した。ストリート感を醸すGinza Sony Parkらしい定着を意識して、現しのコンクリートを背景に、半透明のCS(他社製)やマットな蛍光色のCSをステッカーのようにあえてラフに貼り重ねた。
ディレクター/松島 倫明
デザイナー/中原 崇志
デザイナー/上西 祐理
アシスタントデザイナー/吉田 あさぎ
クライアント/21_21 DESIGN SIGHT
フォトグラファー/神宮 巨樹 [合同会社神宮巨樹]
デザインを通じてさまざまなできごとやものごとについて考え、世界に向けて発信する活動を行う21_21 DESIGN SIGHTにて開催された「2121年 Futures In-Sight」展。展覧会ディレクターは編集者の松島倫明。国内外の多彩な分野で活躍する72組が作家として参加した。参加作家は、まず、展覧会オリジナルツール「Future Compass」(未来の羅針盤)から選んだ「言葉」をつなげ、未来を考える上での自身の「問い」を導き出すことから始め、自身の専門領域や生活哲学に基づきながら形にした「インサイト(視座・洞察)」を、問いとともに展示した。作家により「インサイト」は言葉やモノと様々であった。
たったひとつの未来を予測するのではなく、「『未来を考える行為』を考えること」を目的とした本展では、展示作品として言葉もモノ(立体物としての作品)も等価に扱うという理念を掲げた。そのため会場では、言葉を立体的に表現し、鑑賞者が言葉を直感的に感じ、後にじっくりと読んでみる、という空間体験を作り出すことを試みた。雑誌の誌面が三次元的に立ち上がるような空間を目指し、壁面および柱形の什器には大きく言葉をデザインし、言葉の立体感・重層感を表すためにカッティングシートで表現した。塗装面への貼付、5ヶ月に渡る長期展示であることからTENTACを使用した。会場中央の巨大な「Future Compass」と柱形の什器に記された多くの言葉やモノの展示から成る本展では、柱の中を彷徨い歩きながら、言葉を浴びることによって鑑賞者自身も新たな知見を得ることができる空間となった。
ディクレター/菊竹 雪 [(株)コンパッソ]
デザイナー/菊竹 雪 [(株)コンパッソ]
プロデュース/一般社団法人渋谷駅前エリアマネジメント
クライアント/渋谷地下街(株)
フォトグラファー/(株)ナカサアンドパートナーズ
鋪道上に設置された渋谷地下街空調室外機置き場を囲うパンチングパネルフェンスを、内部の目隠しとなるように[SHIBUYA]の文字を付加してデザインした。仮設の特徴をいかして[SHIBUYA]の文字には、様々なシートを実験的に貼付して、渋谷らしさを演出し発信するスペースになるように計画した。
アートディレクター/ゑ藤 隆弘 [STUDY LLC.]
デザイナー/ゑ藤 隆弘 [STUDY LLC.]
デザイナー/佐藤 あゆ美 [STUDY LLC.]
空間設計/原田 圭 [DO.DO.]
クライアント/(株)資生堂
エージェンシー/凸版印刷(株)
エージェンシー/(株)トータルメディア開発研究所
施工/(株)綜合デザイン
フォトグラファー/太田 拓実
[Takumi Ota Photography(株)]
資生堂 大阪茨木工場の見学施設「SHISEIDO BEAUTY SITE」のサイン計画。 施設コンセプトは「The journey to beauty(美の旅)」。ミュージアム、ラボ、マルシェといったさまざまなエリアを巡りながら、楽しみながらものづくりを学ぶことができる。サイン計画は「旅」から着想し、標識やバス停、表札型のサインを点在させることで施設を1つの街に見立てた。また、各エリアの特徴を視覚化するために設定したカラーを、サインの裏にカッティングシートを貼ることで表現している。シートの鮮やかな色を白い壁に反射させることで、本施設にふさわしい柔らかく繊細な表情を実現。白い空間に軽やかな色がリズミカルに配されることで、旅の楽しさを演出するサイン計画となった。