TOP > 第19回 CSデザイン賞 一般部門 受賞作品
2015年12月から2016年3月までに募集を行った、「第19回CSデザイン賞」一般部門の各賞です。
募集作品:カッティングシートおよびそれに準ずる装飾用シートを使用したもので、 2014年4月1日から2016年3月31日までに実際に制作された作品
応募点数:95点
設計/木村 吉成・松本 尚子[木村松本建築設計事務所]
設計・施工/加藤 正基[masakikato]
伊藤 智寿[いとうともひさ]
渡辺 翔太[coco]
ファブリック・設計/山本 紀代彦[fabricscape]
フォトグラファー/増田 好郎
[Yoshiro Masuda photography]
築20年超のハイツの一室を改修する計画である。建物としての経年に加え、現在の賃貸市場ではニーズの少ない占有面積に対しての居室の多さ、細かく分断された間取りを取り壊すことなく再編する手法を模索した。
具体的には既存の間取りをそのままに、居室を横断するように挿入した木質素材の壁のみで各室の関係性を変化させ、様々な居住形態に対応するものへと更新する。
賃貸物件の必然である住み手の流動に対して、挿入した壁の素材であるラワン合板表面に貼られたIROMIZUの豊富な色数と、貼り重ねが可能な性質が応答する。合板という素材の特性である経年変化を透過しつつ貼り重ねることにより住まい手の変化の履歴を示し、経過してゆく時間を可視化する。また、貼られたIROMIZUは室内外の風景の映り込みや光の反射を表面上で現象させる。
このような壁仕上げ材としてのIROMIZUをはじめ、床材に用いたA4サイズの不揃いなセルフメイド・コンクリート平板など、本計画では従来の賃貸物件改修では用いられない材料選定を計画と共に行った。
これまでの、住まい手が変わる度に内装を「刷新すること」を常としていた賃貸物件の状況に対し、少しづつ手を加えながら「変化し続けられること」の可能性、つまり「修理」を持続してゆけることを価値とする提案である。
ディレクター/関本 明子[(株)ドラフト]
デザイナー/関本 明子[(株)ドラフト]
イラストレーター/関本 明子[(株)ドラフト]
プロデューサー/中岡 美奈子[(株)ドラフト]
クライアント/上原 基章
[東京ミッドタウンマネジメント(株)]
施工/大坪 寛[アッシュ・ペー・フランス(株)]
椎名 太一
フォトグラファー/小野 慶輔[小野慶輔写真事務所]
東京ミッドタウン、クリスマスイベントの店内グラフィック。
館内全体でイベントを盛り上げるため、また東京ミッドタウンの上質感演出のため、
メインカラーは赤一色に絞り手描きの繊細なイラストを使用して、イベントタイトルの文字をデザインしメインビジュアルとした。
エントランスを始めとしたガラス面は、表裏両方から見える特徴を生かすためカッティングシートを使用し繊細なイラストの文字を表現した。
また、館内回遊を促すため複数有るガラス面を生かし、イベントタイトルのアルファベットを散らし、探す楽しさも演出した。
50mのディスプレイショーウィンドウは、メインビジュアルの文字をプリントしたカッティングシートで覆い、文字の形で窓を作りディスプレイ空間とした。
この場所はイベント時に長蛇の列が出来るので、長時間並んでいてもクリスマス気分が盛り上がる空間を考えた。
ディレクター/五十嵐 久枝
[(有)イガラシデザインスタジオ]
デザイナー/藤田 学[(有)イガラシデザインスタジオ]
ライティングデザイナー/山下 裕子
[(有) ワイ・ツー・ライティングデザイン]
家具製作/北川 陽史
クライアント/(株)中川ケミカル
施工/高橋 晋
フォトグラファー/小林 雅央
この”空間を色で着せ替えよう!”展は、CSデザインセンター内部を3回連続して【色】でチェンジさせようという企画。空間と相性の良いペールトーンをメインに使用し同じ空間が、カフェ→オフィス→キッズスペースと様変わりさせる半年間の展示空間。
第2弾は、Sogen office。
仕事をしたい場所はどういうところなのかと自問自答した時に、爽やかな風を感じる“草原”がオフィスであったら、、、と夢みたいな想像が始まりです。実際の草原では、強風や雨も暑さ寒さも受け入れなければなりませんが、空調や照明を使って空気や光の環境をコントロールする快適なオフィス空間を、色を加えて気持ちの安らぐ草原にするという挑戦になりました。
草のイラストは風に吹かれてゆっくりと、ゆらゆら揺れている印象の輪郭にしていますが、オフィスの装飾という役割の他に、パーテーションとしても応用出来るよう高さを調整しました。目線から人の背丈が隠れる高さまで緩やかに傾斜した高さに設定し、見えていても意識させない仕切りとなります。植物からインスピレーションした小さなテーブルとスツールは、使用することができ、そこでノートパソコンを広げて仕事をしていただこうと電源も用意されています。パーソナル空間とミーティング空間をレイアウトしています。
ショールームとギャラリーを仕切るガラスパネルとオフィス内部のガラスパーティションでは冬間近の展示期間に合わせた季節の移り変わりを表現しています。若葉色の緑から、淡い緑、黄味色を帯び、そして白へだんだんと冬に向かって草が凍っていくイメージです。曲線の重なり、表裏の色の重なりと間仕切りの重なりとが影や奥行きをつくり出し、ちいさな点滅光は蛍を模し、人の気配や、場の空気感、時間の流れのようなものを優しく、曖昧にしてくれる人工的な自然空間の提案です。
ディレクター/横山 博昭[morld]
デザイナー/横山 博昭[morld]
クライアント/坂本 眞一
[ブルーウェーブテクノロジーズ(株)]
エージェンシー/小嶋 一浩・赤松 佳珠子・有井 淳生
[小嶋一浩+赤松佳珠子/CAt]
施工/松岡 隆[合資会社ダイトウ製版]
フォトグラファー/中村 絵[中村絵写真事務所]
デザインするにあたり思慮しましたプロジェクトの特徴には
・「ノーマライゼーションを実践する工場」というスローガンを掲げ、障がい者雇用を前提として宇部市から誘致を受けての新設
・施設内は完全なバリアフリー
・工場の機能の一つとして、国内/ 海外からデザイナーなどを招聘し一緒にものを作るためのレジデンスが含まれている
・あらゆる見学者を想定して、見学ルートを確保している
・一般客の利用も可能な社員食堂があるなどがあります。
統一したデザインのピクトグラムと、基本的に簡単な表現は英語表記(わかりにくい場所は日本語並記)のサインで全体を構成してあります。空間ボリュームとしても大きめな施設なので、駅などの公共施設と同じぐらいのスケール感を用いました。
ディレクター/加藤 吉宏[(株)加藤吉宏アトリエ]
デザイナー/加藤 吉宏[(株)加藤吉宏アトリエ]
クライアント/岩井 良明[(株)モノリス]
施工/鈴木 謙一[(株)ビスコ]
鈴木 広行[(株)鈴木プロセス工芸]
フォトグラファー/辻谷 宏[(株)ナカサ&パートナーズ]
ラボ7は、小学生を対象にした学習塾で、テナントビル一階のガラス張の通路に面している。内部を全て露出させる空間は開放的ではあるが、塾としての用途としては、好ましくない。このガラス面に、程よく目隠しできるような、インクジェットによるパターンをシート張にした。手書きによる落書き風のパターンを下層から何重にも重ね、上部にいく程重ねを少なくしたグラデーションのパターンとした。 内部空間を閉鎖的に見せず、物や人の動きをパターン越しに写し出すことで奥行きと躍動感を表現する事ができた。
ディレクター/三木 健[三木健デザイン事務所]
デザイナー/三木 健[三木健デザイン事務所]
クライアント/ギンザ・グラフィック・ギャラリー
施工/前川 真喜子[(株)ムラヤマ]
フォトグラファー/村上 登志彦[WHEEL]
藤塚 光政
この展示は大阪芸術大学デザイン学科の基礎実習を立体的に表現したもので、世界中の誰もが知っている「りんご」という果物を通して「デザインとは何か?」を学ぶ内容になっている。
身体性を生かした観察手法や「りんご」から抽出した色見本帳など、発想や表現のヒントになる「気づき」を至る所に組み込んでおり、インタラクティブ・映像・立体造形・ポスター・書籍・音楽など、あらゆるメディアを駆使して学びを可視化したものである。
デザイナー/大崎 淳治[大崎事務所]
クライアント/府中病院
施工/藤田 隆夫[泉宏建設(株)]
この塀を単なる工事塀(病院と街を区切る壁)ととらえず、この工事塀があることにより、
さらに病院と病院従事者、来院者、地域住人とのコミュニケーションが育み合えるような、
交流の懸け橋の役割を果たすことができればと考えました。
それは既存シンボルマークのエレメント(三角形)をもちいて、ちょっと楽しげな人の様子をデザイン化し、病院で働く看護師、お給仕する人、妊婦や赤ちゃん、横たわって検査をする様子など様々な表情を創り出しています。
そして、通りかかる人々の目を楽しませると同時に活気溢れるイメージを醸し出しました。
クリエイティブディレクター・アートディレクター/
八木 秀人[(株)電通]
デザイナー/八木 秀人[(株)電通]
桐岡 美能理・齋藤 佳奈絵・清水 彩香
[(有)bluecolor]
フォトグラファー/吉田 明広[1002]
プロデューサー/三宅 弘高[(有)bluecolor]
オンワードで働く人と人のつながりや、布と布とのつながりで洋服が形作られていく想い「ステッチ」で表現した。
すべてのタイポグラフィー、ピクトグラムがステッチのみでデザインされている。
ディレクター/森野 晶人・甲野 善一郎
[崇城大学芸術学部]
デザイナー/井添 景子・清原 薫子・久保山 直紀
佐藤 恭平・福山 大夢[崇城大学芸術学部]
クライアント/久我 彰登[(株)鶴屋百貨店]
施工/崇城大学芸術学部 森野・甲野研究室
白石 謙二[(株)大洋工芸]
地元百貨店のバレンタイン用ディスプレイをデザインしました。恋をすると、いつもの景色が輝いて見えたり、魅力に目が眩んだりと、何気ない毎日に不思議な力が宿ります。その何にも替えがたい強いエネルギーを、恋をしている人にも、恋から遠ざかっている人にも感じてもらいたい。その想いを実現するため、熱く甘美な世界をつくることで恋する世界観の創造に挑戦しました。
ディスプレイの大半を占める大小の立体的なハートは、直径3cmと5cmのハートをそれぞれ3枚ずつ手で折り合わせて制作されております。濃い赤、赤、薄い赤、ピンク、ミラー、玉虫、ホログラムのカッティングシートからなる7種類の立体ハートの数は6000個を超えます。これらをひとつひとつ手で折り、貼り合わせて作業に、健気で熱い恋心を重ねました。キラキラときらめき募り積もった想いは、やがて恋が叶うと同時に彩りはじける。そんなストーリーを可視化しています。こうして、2万個以上のハートによる「めくるめく世界」ができあがりました。
ディレクター/やなぎ みわ[やなぎ事務所]
デザイナー/やなぎ みわ・木村 三晴[やなぎ事務所]
クライアント/やなぎみわステージトレーラープロジェクト
施工/小沼 訓子
フォトグラファー/木村 三晴[やなぎ事務所]
日本国内での演劇公演に使用するために、台湾で制作された移動舞台車(トレーラーの荷台部分)である。公演時に車体が展開して独自の形状となる設計で、日本国内には他に例がない。この車体を日本に輸入するために多くの協力出資者をクラウドファウンディングで募り、感謝の意を表して外装にその名前を随時入れていくというコンセプトである。デザインは演劇内容に則して「鳥と蛇の交じり合った生き物」の意匠を、演出家であり美術作家のやなぎみわが作成し、台北藝術大学と京都造形芸術大学の学生たちに線画をまとめてもらった。名前の文字デザインも作家本人の揮毫をもとにしており、寄付金の額によって名前の入る羽根の大きさや位置が決められている。
演劇公演は2016年に国内各地を巡回予定で、寄付が集まるごとに羽根に色が入って華やかになっていく趣向である。現在進行中のイベントであるが、最終的には車体全体に色が付くことで、協力者や観客と感動を分かち合うことを目的としている。
プロデューサー/飯田 一夫
ディレクター/小松 宏誠[Kosei Komatsu Studio]
デザイナー/小松 宏誠・石渡 愛子
[Kosei Komatsu Studio]
クライアント/森ビル(株)
施工/(株)ベストプロデュース
2日限りのアートイベント、六本木アートナイトの為に制作したインスタレーションです。
鳥の求愛行動(ディスプレイ)の様に、池そのものが存在をアピールしているような風景を作り出す屋外インスタレーションを想い描きました。
池の底面を鮮やかな模様に変化させ、工事用水中ポンプを改造した噴水により水面を震わせ、模様がざわめき池のアピールが始まるというストーリーで実現しました。
池の底面を鮮やかな模様に変化させるには、試行錯誤の結果、ターポリンにカッティングシートを貼るのが最適でした。蛍光色と黒で模様を描き、日中は太陽光、夜は地上からのフルカラーLEDでライティングする事で、池の底が発光する様に模様が浮かび上がりました。
ディレクター/田中 利岳[(株)丹青社]
デザイナー/田中 利岳[(株)丹青社]
グラフィックデザイナー/魚岸 由佳/HR-FM
クライアント/薩摩川内市消防局
施工/(株)丹青社
フォトグラファー/林 巧
市民の災害対応能力の向上を促す為に、各種(地震、煙、初期消火、暴風雨、119番通報)の防災体験が出来る常設の研修センターの計画。
体験室毎に災害が持つ色味をモチーフとしたデザインとは違う、もっと根源的な思考で防災体験の質を捉えたいと考えた。
東日本大震災が齎したように、一発の巨大地震が呼び起こす無数の惨劇は、脈々と繋がっていることに震撼する脅威がある。
この脅威に対し、防災は連続的に迅速に対処していく事に意義があり、警戒心と心構えを体験を通して養う必要がある。
そこで、各災害体験室をぐるりと囲んで配置し、連続する体験室のガラスファサード面に、刻々と変容する災害の猛威を粒子の集合体としてあらわした。
又、この猛威に対抗し、警戒心や防災意識を案に意識させる為に、防災喚起色のイエローと、防護服や反射板に用いられるシルバーの2色を空間内に同居、追随させた。
災害に立ち向かう体験者と災害の連続的なオーバーラップを概観出来る体験室に囲まれたギャラリーでは、体験者がシーンの構成要素を担い、来館者は防災行為を表出するシーンの一環として実感する。
この「防災パノラマギャラリー」を、防災意識を喚起させる為の情景サインとして、来館者を出迎える手立てとした。